廃棄物処理施設と法令調査、建築基準法51条但書許可

1.廃棄物処理施設

 廃棄物処理法で定めらられている設置許可が必要な施設を言います。法8条、15条に規定されている施設です。

(例)廃プラステックの破砕の能力が1日(8時間)当たり最大で5t超

2.建築基準法51条但書許可

 廃棄物処理法の8条、15条施設の設置のために必要な許可です。

3.廃棄物特定施設と軽微変更届

 廃棄物特定施設(廃棄物処理法8条、15条施設)を修理などの目的で機械の修理や変更、機械の設置場所を変更するなどするときは特段の注意が必要です。

 事前に行政(自治体)に相談したうえで進めることが大事です。場合によっては軽微変更に該当せず、変更許可などが必要な場合があります。状況によっては勝手に変更したと判断され、許可の取消しもあり得ます。そうなると施設設置許可だけでなく、産業廃棄物処理業や一般廃棄物処理業など関係の許可は一律に取り消されます。

 

建築基準法51条但書許可が必要な廃棄物処理施設とは

 

建築基準法51条但書許可とは

 廃棄物特定施設(産廃施設:15条、一廃施設:8条)を設置する場合、都市計画で最初から決まっているわけでないので、都市計画上支障がないかどうか都市計画審議会で審議したうえで、特別に立地を認めようとするものです。廃棄物特定施設の許可を取得するためには不可欠の手続きです。

(参考)

・建築基準法第51条(抜粋)

 都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りではない。

立地条件

 51条許可を取るには、十分な準備が必要です。その最たるものは、立地条件です。

 工業地域や工業専用地域(※)なら有利ですが、必ずしも安心はできません。それは地元市町村の都市計画との整合性が問題になるからです。また、反対に市街化調整区域なら許可が難しいかとういうと絶対にだめだとは断定できません。

 一番大事なことは、土地を入手するまえに、事前に関係自治体(都道府県、市町村)などに相談し、許可の見通しを見極めることです。土地建物をあわてて用意するのは危険です。

 ※工業地域、工業専用地域の特例(建設基準法施行令第130条の2の3第3号)

 例えば、がれき類の破砕の場合、1日の処理能力が5t/日を超えても、100t/日以下なら建築基準法51条但し書き許可は不要、というように、一部緩和されます(廃掃法15条許可は必要です)。

   

  処理施設の分類     規  模         廃掃法15条施設と工業工専地域の特例

  第1号      汚泥の脱水施設    処理能力10㎥/日を超える 処理能力30㎥/日以下

  第2号     ア)汚泥の乾燥施設   処理能力10㎥/日を超える 処理能力20㎥/日以下

        イ)汚泥の天日乾燥施設     処理能力100㎥/日を超える 処理能力120㎥/日以下

       第3号      汚泥の焼却施設    次のいずれかに該当するもの 処理能力10㎥/日以下

                                                                       イ)処理能力5㎥/日を超える

                     ロ)処理能力200kg/h以上

                       ハ)火格子面積2㎡以上

      第4号     廃油の油水分離施設  処理能力10㎥/日を超える   処理能力30㎥/日以下

   第5号      廃油の焼却処分    次のいずれかに該当するもの 処理能力4㎥/日以下

                                                                       イ)処理能力1㎥/日を超える

                     ロ)処理能力200kg/h以上

                       ハ)火格子面積2㎡以上

   第6号  廃酸・廃アルカリの中和施設 処理能力50㎥/日を超える 処理能力60㎥/日以下

   第7号    廃プラスチック類の破砕施設 処理能力5t/日を超える   処理能力6t/日以下

   第8号  廃プラスチック類の焼却施設 次のいずれかに該当するもの 処理能力1t/日以下

                                                                       イ)処理能力100kg/日以上

                     ロ)火格子面積2㎡以上

  第8号の2   木くず、又はがれき類の破砕施設     処理能力5t/日を超える 処理能力100t/日以下

      第9号 金属等又はダイオキシン類を含む   すべての施設     処理能力4㎥/日以下 

     汚泥のコンクリート固型化施設 

     第10号 水銀又はその化合物を含む                     すべての施設     処理能力6㎥/日以下

      汚泥のばい焼施設         

    第11号 汚泥、廃酸又は廃アルカリに     すべての施設       処理能力8㎥/日以下 

     含まれるシアン化合物の分解施設          

 第11号の2 廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物  すべての施設

        の溶融施設

 第12号 廃PCB、PCB汚染物又はPCB処理物  すべての施設     処理能力0.2t/日以下 

     の焼却施設    

第12号の2 廃PCB等又はPCB処理物の分解施設   すべての施設     処理能力0.2t/日以下

 第13号 PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設  すべての施設     処理能力0.2t/日以下

      又は分離施設

第13号の2 上記3号、第5号、第8号、第12号  次のいずれかに該当するもの 処理能力6t/日以下 

      以外の焼却施設                               イ)処理能力200kg/h以上

                                                                        )火格子面積2㎡以上

 第14号 イ)遮断型最終処分場         すべての施設

     ロ)安定型最終処分場         すべての施設(水面埋立地を除く)

               ハ)管理型最終処分場         すべての施設    

  

建築基準法51条但書許可申請とは

建築基準法51条但書許可申請(土地計画審議会の審査)

 特定施設(8条、15条施設)の設置許可を取るには、原則として建築基準法51条但書の許可(都市計画上の位置決定)が必要です。一般的にはこの許可のハードルは高いです。

 許可が下りるまでは多くの申請工程と時間が必要です。都市計画審議会も都道府県のほか地元市町村の審議会にかける場合もあります。但し、政令指定都市の場合は異なります。

 工業専用地域や工業地域だからと言って無条件にこの許可が取れるわけではありません。ただし、こうした地域の場合は一部において特例措置があります。(工業地域、工業専用地域では、廃プラスチック類は6トン以下/日、木くずは100トン以下/日、がれき類は100トン以下/日の場合、特例として、この51条申請は不要です。)

 また、一度51条但書の許可を取ったからと言って、機械の処理能力の増強や敷地の拡張の程度によっては改めて許可を取らなければならない場合もあります。

 この許可は立地条件に大きく左右されます。地元市町村の都市計画上支障がない場所かどうかが大きな要素を占めます。そのため地域によっては、この許可がほぼ不可能な場合があります。市街化調整区域の場合はこの許可のハードルは高いですが状況によっては許可可能な場合があります。また都市計画上の用途地域が住居系地域の場合は都市計画上支障があると判断されるでしょう。

 なお、建築基準法51条但書許可申請に際して、申請予定敷地内に違反建築物などがあると是正が必要です。